1999年度 運動系 (2000年2月3日実施) 1、(糸満先生) 骨粗鬆症について答えなさい。 2、(酒井先生) 次の文章の空欄に最も適する語を解答欄に記せ。 @ 筋肉は体節の腹内壁に由来する(1)板と呼ばれる部位より分化する。筋が細胞は発生初期に互いに癒合し、(2)と呼ばれる多核の状態となる。やがて筋線維が増加し、核が細胞の周囲に移動する。 A 長骨の骨化は雛形の軟骨が骨へと変化する。このタイプの骨化を(3)骨化と呼ぶ。出生後も、骨間と骨端の間の(4)と呼ばれる部位は軟骨のまま残る。この部位が早く閉鎖すると、(5)症となる。一方、軟骨を雛形としないで骨化するタイプを(6)骨化と呼ぶ。 3、(島田先生) 次の記述で正しいものの組み合わせはどれか。解答欄のローマ字を丸印で囲め。 @ 骨の吸収と形成の動的繰り返しを改築(remodeling)という。 その1サイクルの周期は、およそ1年である。 A 血中Ca2?濃度の正常値は10mEq/dm3である。 その80%は遊離のイオン型である。 B カルシトリオールは、最終的に腎尿細管の上皮細胞で合成される。 C 副甲状腺ホルモン(PTH)は、腎尿細管からのCa2?再吸収を促進する。 D カルシトニンは、甲状腺のC細胞で作られ、破骨細胞に直接作用し、骨吸収を抑制する。  解答欄   a:@Bのみ   b:@~Dのすべて   c:Bのみ   d:ADのみ   e:BCDのみ 4、(佐藤先生) 以下の文章中の語句欄より、正解語句を一つ選び、文章を完成させること。 例:古くから骨格筋はその色の違いから(灰白筋と白筋、平滑筋と骨格筋、赤筋と白筋)とに分けられていた。  われわれ人間を含めた動物は、つねに環境の変化や外界の刺激に応じて、さまざまに適応し、行動する。行動は単純な(1)(反復運動、随意運動、反射運動)から複雑な随意運動までさまざまな運動によって表現され、これらが組み合わさって成り立っている。運動の本質とはその目的性にあり、脳において目的遂行のための最適な“運動のプログラミング”が実行されている。運動の(2)(感覚器、支配器、効果器)は骨格筋(skeletal muscle)である。(3)(分泌細胞、筋細胞、運動細胞、感覚細胞)は運動神経系の最終共通路(final common path)である(4)(感覚ニューロン、運動ニューロン、介在ニューロン、上行路ニューロン)によって支配され、(5)(収縮活動、促進活動、伸展反射)を営む。脳からの運動指令を最終的に効果器である骨格筋に伝える生体内信号は、神経軸索上を伝導する(6)(脳波、活動電位、シナプス電位、受容体電位、筋電位)である。運動ニューロンの軸索、すなわち運動神経線維は筋内で分枝して多数の筋線維を支配する。運動線維の(7)(刺激、閾電位、神経インパルス、最大神経刺激)は神経筋接合部を介して支配下の各筋線維に確実に伝わり、興奮と収縮を引き起こす。運動ニューロンとそれに支配される筋線維群はつねに活動を共にする一つの機能単位を構成するので、これらをまとめて(8)(感覚単位、神経単位、筋単位、運動単位、骨格単位)と呼ぶ。骨格筋の収縮力は“全か無かの法則”で生ずる運動神経の活動電位の(9)(持続度、電位強度、頻度、閾値)によって符号化されている。運動神経終末と筋線維の接合部を(10)(終板、神経筋板、接合板)といい、そこでは(11)(ノルアドレナリン、アセチルコリン、セロトニン)が神経伝達物質である。筋に生じた終板電位はさらに筋の活動電位を引き起こし、それがT管系を伝導し、筋内部の筋小胞体膜上にある(12)(Na放出チャネル、K放出チャネル、Ca放出チャネル)を開口させる。細胞質中に放出されたカルシウムイオンは筋細胞中のカルシウム結合タンパク質と結合し、最終的にアクチン線維とミオシン線維による筋収縮を引き起こす。この筋における興奮の伝導と収縮過程を特に興奮収縮連関(excitation-contraction coupling、E-C連関)と呼ぶ。 5、(五艘先生)  (A) 下記の空欄に最も適当な語句を解答欄に書きなさい。 1) コラーゲン(collagen)には多くの型(Type)がある。骨に存在するコラーゲンの主成分はTypeTcollagenであり、主なサブユニット構成は〔ア〕と書ける。一部のリジン残基は〔イ〕を受け、さらにそこに糖が結合している。〔イ〕されたリジン残基や糖の数は〔ウ〕に存在するTypeTcollagenに比べると少ない。 2) プロテオグリカンはタンパク質と〔エ〕と呼ばれる多糖の複合体である。アグレカンは軟骨に存在するプロテオグリカンで、主な〔エ〕成分は、〔オ〕であり、他にケラタン硫酸も存在する。軟骨では、やはり〔エ〕である〔カ〕に結合して巨大な結合体を作り、さらにコラーゲンと結合して細胞外マトリックスをつくっている。 (B) 下記の問いに答えなさい。 1) 破骨細胞の分化・成熟における骨芽細胞の関与について説明しなさい。 2) 骨格筋を構成するタンパク質のうち、アクチンとミオシン以外のもの2つについて説明しなさい。 6、(土橋先生) 軟部腫瘍を3つ挙げ、それぞれについて特徴を答えよ。 7、(森田先生)骨・軟骨の力学的性質を調べるのに、何故レオロジーが必要か? 8、(馬嶋先生)非ステロイド性抗炎症薬(Cyclooxygenase阻害薬)とステロイド性抗炎症薬の代表的な薬物(薬物名)をそれぞれ1つずつあげ、それらの作用機序を簡単に比較しなさい。また、それぞれどのような副作用が知られているか、箇条書きにして挙げなさい。 先輩のコメント(原文通り) ・ 3番の島田先生の問題が、記号問題。1問で12点の配点でした。合否の分かれ目はこの問題の正否大きかったように感じました。 ・ 全体的に基本的な問題が大きく、4番は二年生の解剖と生理をきちんと理解していれば取れるでしょう。多分99年度の追試問題のほうは原本があると思うので、そちらもやっておきましょう。