‘93年度 系別総合 運動系 (平成5年実施) 出題順は不同 1.(山科)  次のよう後をすべて織り込んで体幹の骨格筋の発生について解説しなさい。  なお、これらの用語以外の用語を含めもかまわない。  {体節、筋節、筋管、細胞融合、多核化、筋線維、筋原線維、神経支配、筋芽細胞、   白筋と赤筋} 2.(五艘)  下記の空欄に最も適当な語句を下のA欄から選びなさい。  @プロテオグリカンの糖部分である(ア)は、基本的に末端から順番に分解される。例えば皮膚に最も近い(ア)である(イ)では、二糖繰り返し部分が、硫酸化されたイズロン酸、グルクロン酸、及び(ウ)から成るので、L-イズロノスルファターゼなどが次々と作用して分解が進む。この分解様式から、ひとつでも分解酵素の活性が低下すると分解が止まることがわかる。(ア)の不完全分解物が細胞内に蓄積すると知能の遅れなどを症状に持つ種々の疾患が現れる。L-イズロノスルファターゼの活性低下による(エ)は比較的よくみられる(ア)の代謝異常症として知られている。  A結合組織は細胞と(オ)から成る。(オ)は線維成分と基質成分から成るが、結合組織にもある線維成分は(カ)であり、基質成分は(キ)である。弾力に富む結合組織では、線維成分として(ク)も存在する。  A欄 L-アセチルガラクトサミン、L-アセチルグルコサミン、アリジン、アルブミン、      エーラースダンロス症候群、エラスチン、ガラクトース、キシロース、グリコーゲン、      グリコサミノグリカン、グリコプロテイン、ケラタン硫酸、コラーゲン、      コンドロイチン、細胞外マトリックス、神経線維、デスモシン、デルマタン硫酸、      ハーラー症候群、ハンター症候群、ヒアルロン酸、ヒドロシアパタイト、      フィブロネクチン、プロテオグリカン、ヘパラン硫酸、へパリン、ラミニン 3.(鹿取)  次の文章の中から誤っているものを選び、その番号を記入しなさい。  A.アスピリンの薬理作用につき、誤っているものを選べ。   @抗炎症作用のほかに鎮痛、解熱作用をあわせもつ。   A鎮痛作用は延髄網様体傍巨大細胞核のオピオイド受容体に作用し拮抗する。   B前部視床下部に作用し、プロスタグランジン生合成阻害を介して解熱作用を起こす   C抗炎症作用はブラジキニンの血漿滲出作用を直接抑制し、浮腫を抑制する。   D連続投与により耐性、依存が出現する。   E胃壁のプロスタグランジン生合成を阻害して胃粘膜障害を起こす。   F大量連用すると副作用として血小板凝集抑制作用により出血傾向をひきおこす。  B.ステロイド性抗炎症薬について誤っているものを選べ。   @投与すると細胞内で蛋白質が合成され、この蛋白質により、細胞の機能が抑制される。このため作用発現まで少なくとも1時間以上かかる。   A主として、間葉性細胞に働き、その働きを亢進させる。そのため炎症作用が抑制される。   B抗炎症作用の他、鎮痛、解熱作用がある。   C連続投与により細菌への防御力が強くなるが却って感染にかかりやすくなる。   Dリンパ球などの間葉細胞の働きを抑制するので、免疫抑制薬やリンパ球性白血病の治療薬として用いられる。   E糖代謝、蛋白質異化作用が亢進するため、副作用として糖尿が起こることがある。   F副作用として骨粗鬆症、満月様顔貌、月経停止などがある。  C.次の文章の中から誤っているものを選べ。   @アロプリノールは、尿酸の排泄を促進するので痛風に用いられる。   Aアロプリノールはキサンチン酸化酵素を阻害して尿酸の産生を阻害するので、痛風に有効である。   BD-ペニシラミンの抗リウマチ作用は免疫抑制作用と考えられている。   CD-ペニシラミンは骨折、捻挫にも有効である。   D食塩は鎮痛、解熱作用が強いので関節リウマチに用いられる。   Eコルヒチンは痛風に有効なばかりでなく、骨折、抜歯後の鎮痛に有効である。 4.(森田)  関節軟骨の主成分はコラーゲン、プロテオグリカンと水である。これらによって構成される関節軟骨基質構造を模式的に示し、それぞれの構成成分が関節軟骨の機械的性質(剛性と強度)にいかにして関与しているか簡単に説明せよ。 5.(大野)  骨腫瘍の診断に最も役に立つ検査は何か。 6.(島田)  活性型ヴィタミンD3について以下の問いに答えよ。  @生合成にあずかる組織、器官をあげよ。  A骨に対する作用及びその標的器官について簡潔に記せ。 7.(加濃)  脊椎動物の骨格筋細胞において、その細胞膜に活動電位が発生してからその筋細胞が収縮するまでの経過を箇条書きにして簡潔に説明せよ。 8.(?)  骨系統疾患の定義を述べ主な疾患を知るだけ記せ。 9.(岩淵)  @骨組織を構成する3種類の細胞を挙げ、その機能を簡単に説明しなさい。  A二次性骨折治癒の過程を簡単に説明しなさい。  B骨に転移する頻度の高いガンを5つ挙げなさい。  C発生頻度の最も高い悪性軟部組織腫瘍を1つあげ、臨床的、組織学的事項について知るところを述べなさい。 10.(馬渕)  ヒトの膝関節と股関節の運動機能の相違について、バイオメカニクスの観点から述べなさい。 11.(?)  化膿性骨髄炎について診断(臨床症状、検査、X線所見)を記せ。 12.(有富)  滑膜関節の可動域の測定は臨床的にはどのように測定されるのか、肩関節を例に取り簡単に述べなさい。 13.(二見)  若年者(骨端線閉鎖以前)のスポーツ活動に際し、運動器の立場から留意すべき点を箇条書きに挙げなさい。